早稲田大学データ科学センターの教員が共同で執筆を担当した「データ科学入門Ⅱ」がサイエンス社から発刊されました。私もデータ科学入門Ⅰに引き続き2章と3章の執筆を担当させていただきました。
データ科学入門シリーズでは統計学や機械学習の個々の手法を理解することよりも、それらを一つ上の視点から眺めることで、手法間の関係性や、手法の背後にある考え方・哲学を整理することを主な目的としています。
回帰分析を例に取ると、最小二乗推定量についてその不偏性や有効性について議論をしている本もあれば、ベイズ推定量の性質を議論している本もあります。また、回帰係数の推定問題を扱っている場合もあれば、新たに得られた説明変数に対する目的変数の値を予測する問題を扱っている場合もあります。本シリーズの目的は、これらの各論を、分析の目的、設定、評価基準を明示した「意思決定写像」という統一的な見方で整理することです。
京都大学の包含先生が「データ科学入門Ⅰ」に対して以下のようなコメントをくださいましたが、これはまさに執筆者の狙いでもあります。私自身、データサイエンスの手法に関する研究をしていますが、従来研究を上記の視点で整理することで新しい研究の種となることも少なくありません。
データ科学入門Ⅰ、データ科学入門Ⅱ、手にとっていただけますと幸いです。
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